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身近な科学探訪「第2回夏期特別講座」
2023.08.09
第2回前編 夏期特別講座「放射線の基礎」中村秀仁先生(京都大学助教)
暑い日が続きますね。夏バテには「ミネラル、ビタミンを摂ろう」よく耳にする言葉です。
第2回の前編は、京都大学の中村秀仁先生による特別講座でした。
私たちは日本で生活していると、宇宙、大地、空気といった空間と食事から年間被約2m Sv(ミリシーベルト)という量を被ばくしています。
「生活しているだけで2m Svの被ばく?!」
そこだけ聞くと非常に不安になりますが、人類は誕生以来、長い時間をかけてこの環境に適応できる体になっています。また、疫学的にも影響がないことが国際的に知られています。
さて今回はミネラルの一種であり、人体だけでなく植物にも不可欠な栄養素であるカリウムを学びました。「カリウムと放射線??」実は関係があるのです。カリウムは、ほとんどの食べ物に入っていて、私たちの体の中にも100gほど含まれています。そのカリウムの中に0.01%存在するカリウム40の半減期、そしてそこから発せられる放射線の種類や、その被ばく量を、携帯で回答するクイズを通して知ることができました。
「放射線」や「被ばく」という言葉のイメージで判断するのではなく、客観的な数値や情報、知識を持つことの重要性を改めて認識する講座でした。ますます「身の回りにある放射線」として身近なモノになってきました!
【参加した生徒のコメント】
・人は少しでも被爆すると危ないと思っていたけど毎日少量だけど被爆しているのに影響がないと知って少し放射線のイメージが変わった。
・クイズだと覚えやすく、興味が湧く話もあり、良かった。
・まだ自分が知らない中性子やシーベルトを学べて楽しい気持ちになった。
・前回の復習により 放射線について理解を深めることができ、他にも新しいシーベルトやカリウム40などの新しい放射線に関するものをクイズに混ぜ込み分かりやすく楽しくまなべた
・学習する前、放射線は危ないものだと思っていたけれど、放射線を出すカリウムが私達の体に取り込まれていることやミネラルとして体の役にたっていることを知れて良かったです。
カリウムという物質ひとつでも種類があることに驚いた。
日本にいる人は1年間で2ミリシーベルト被爆していることに不安になりましたが、私達の体にほとんど影響がないことを知り安心しました。
・放射線は危険なものだという印象があったけど意外と放射線が出ている物質が身近にあってそれを自分の中に取り込んでいるということを知ってとても驚いた。
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第2回後編 夏期特別講座「研究用原子炉で拓く科学技術」川端祐司先生(京都大学特任教授)
第2回の後編は、京都大学の川端祐司先生による特別講座でした。
今からおよそ2500年前の古代ギリシャ時代のエンペドクレス(四元素論)から、分子や原子、クォークの発見といった現代までの流れを知ることができました。また、放射線がもたらす現在と未来について、様々な事例を紹介していただきました。
「ホウ素中性子捕捉療法」は、中性子の性質を生かしてピンポイントでがん治療を行う点で生徒も興味津々でした。その他にも、兵庫県で出土した経筒の内部を透過する「中性子イメージング」や「燃料電池の開発」、シャンプーやペイント剤などの「複雑流体」など、原子や分子の研究が、私たちの日常を今まで以上に便利に、また新たな課題解決の可能性を拓いていることが分かりました。
【生徒のコメント】
・放射線は怖いものと思っていたから面白かった。癌の治療に使われているのは知っていたが、他の使い方については、知らなかった。
・中学生で何となくで習った中性子が身近なところから宇宙に関することまで幅広く活躍していて面白いなと思った。
・自分は放射線が使われるのは兵器か医療、しかないのかなと思っていたので、身近なものにも使われていて、自分の生活と距離が近いんだなと思ったし、怖さが無くなった気がする。
・今までは危険という印象が大きかった放射線だけれど、医療などにも使われていることが知れて使い方によっては素晴らしいものになるとわかりました
・中性子を利用しどんなことをしているのかとても興味が湧きました。
中性子をどのようにして集めるのか疑問に思っていましたが、ウランを核分裂させたり、ホウ素が中性子を吸収性質を利用して取り出していることに驚きました。
また、医療の現場でがん治療に使われていることについてもっと知りたいと思いました。
より多くの人々ががんの治療を受けられるようになればいいなと感じました。