Nプロジェクト
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【Nプロジェクトの軌跡】 立ち上げ編
2025.02.21
令和6年度の活動も残す1ヶ月、高校入試も終えて次の仲間が入ってくるのが楽しみです。
この2年間、Nプロジェクトは「科学に理解ある社会つくり」を目標に、本校卒業生の中村秀仁氏(京都大学複合原子力科学研究所助教)と本校が共同で、既存の枠組みに囚われない科学リテラシーを涵養する教育に取り組んできました。
生徒2,000名を対象とする学祭融合型の非限定型人材育成プロジェクトには教員の協力が欠かせません。
その壁を越えることが出来たのは、リチャード・フロリダ氏が提唱するイノベーション創出の概念「3つのT(TTechnology、Talent、Tolerance)」、とりわけ”Tolerance(多様性)”という学校文化でした。
間もなく創立100周年を迎える本校は設立時から「弱きを扶ける」を教育の根底に流れる思想として持っています。
授業やクラブ活動以外にも多数の外部連携講座、100もの夏期講座、異文化交流・・・多彩なプログラムや日々の工夫は目の前の生徒の成長を願った結果創出されたものです。
教員にも生徒にも「多様性」を尊重する文化がこのプロジェクトの初動をスムーズなものにしました。
【プロジェクト立ち上げ編】
学校には独自の文化や風土があり、教員にとっては生徒とともに活動する教育現場です。
その性質上、外部から新しいプロジェクトを導入する障壁は高く、突破口はコンテンツの質だけでなく「心の接点」が重要なファクターとなります。
1年生のオリエンテーション学習合宿では、中村助教の特別講義で人生観に触れ、約700名の生徒・教員も感動しました。
そして、職員会議で初年度の活動計画や、期待される生徒の成長など他に類を見ない挑戦について説明したところ、約90%の教員から前向きに協力する声をもらいました。
みんなでこのワクワクをどうやって生徒に伝播させていくか、思索を巡らせました。
ここから大高らしい切り口で動き出します。
まず、当時の上山教頭や亀田教諭(国語科)、中村助教がサプライズで授業に飛び込み、生徒に仕掛けました。
何事かと驚く生徒を尻目にフリップを使ってプロジェクトを紹介すると、「千葉?東京に行けるの?どんなことするの?」生徒の目の色が変わっていきました。
さらに、理科教員はYouTuberさながらの動画を制作し、笑いあり、自分達だけの特別感ありの内容で生徒の心を動かしていきました。
同時にこの立ち上げ期には、教員チームを結成し、プロジェクトと自分を結ぶ動きも重要です。
中村助教が足繁く本校を訪れ、少人数による対話を繰り返しました。
中村助教にはプロジェクト代表として、活動を推進するための京都大学や大阪高校内の組織作りにも尽力していただきました。
こうして歯車が動き出した後の活動は、過去のホームページで掲載しているとおりです。
先端科学と『文系や理系の枠を超えた総勢2,000 名の生徒及び教職員』の融合を図り、既存の教科や教科書の枠組みにとらわれない先端科学との接点を、年間を通じて継続的に持つことで、科学的リテラシーを育んでいきます。